ひらひらと月光降りぬ貝割菜


川端芽舎
三橋 永青

 

三橋 永青

 

 

 清楚な貝割菜を月光が明るく照らしている。月のさす光とそれを受ける葉が共に、ひらひらという動きとして表現されている句に神秘的な風景を感じるも、メルヘンチックな表現を試みた。
 「月」の表情を出す為に、文字形・筆の太さ・紙質を考えた。
 表具は、出来るだけシンプルに。


 
58×60cm

繁田 真樹

 

繁田 真樹子

 

 

 太古から宇宙に浮かぶ穏やかな月と、これからという幼い芽の出会い。この俳句を数あるなかから選んだのは、詠んだ時に、すぐにこの世界が風景として鮮やかなイメージとなり浮かんできたからです。貝割の双葉がひらひらとまるで蝶々のように舞う月夜の静かな世界をカーテンの隙間から垣間見ているような作品を制作しました。文字よりも絵として表現する方が相手に伝わるものもありますが、俳句とは、5・7・5文字で十分に伝わることにあらためて感心しました。


絹/蠟染
160×100cm