鐙金もろくて涙脆くて金亀子 鈴木明 正橋 白鵞 夏の夜、鐙(ともしび)のあかりの下に集まる金亀子(こがねむし)。光と闇、鐙を求めて集まる金亀子の羽音と夜の静寂さ。その情景に作者の心情(涙脆く)を重ねたこの句を 甲虫の肌合いに似た料紙の上に 濃墨を使い、静かでありながら華やかな表現を心がけて書いた。 46.5×60cm 近藤 卓浪 この句を選んだ一番の理由は 今、自分が表現しようとしている「見立てと変化」にぴったりと重なり合う響がしたからです。 見立てのみならず、それにまつわる心情を表現したいと思いました。 麻/蠟染、反応染料120×120cm