何事の心いそぎぞ秋の蝶
正岡子規

藤井 直子
慌ただしく心落ち着く間もない日々の中、まさしくそれはせわしなく飛ぶ秋の蝶のようですが、現実とは裏腹に「いつも優雅でありたい」と願う自分自身を蝶に重ね合わせ、それを表現できれば…と考えました。
草むらから、ふんわりゆったりと浮かび上がる蝶に見えるでしょうか?
(作品効果を高める為に、本紙の下に秋の蝶の絵を讃岐漆芸・若手作家の方に描いて頂きました。)
60×59.5cm

斎藤 高志
蝶が好きだ。
いい歳をして、年に何度かは捕虫網を手に蝶を追いかけている。
10月も半ばを過ぎたある日、近所の川原を慌ただしく飛ぶの姿が、目に入った。
その時、「子規が詠んだ蝶は、アカタテハであった。」との思いが浮かんだ。
アカタテハは極普通種であり、あまり気に留めることが無かったが、この機会に改めてよく観ると、その美しさに魅了された。
麻(生平)、反応性染料、金箔、銀箔、銅箔/捺染、摺箔
160×78cm