流れつつ色を変えけり石鹼玉
松本たかし

後谷 芳琴
生まれたしゃぼん玉は、一瞬、時の流れにのり彩りを見せ漂ってゆく。そのただよいはやがて、すっと刻の裂目へと吸い込まれ消えてゆく。しゃぼん玉の不思議を想った。
古い銀屏風の一部が一枚あり、その銀の紙に刻の移ろいを感じ、よごれの美しさの中に句を浮かばせてみようと試みた。
ただ思うままに書いた。
60×60cm

石田 寿治
17文字の世界に導かれこれまで歩んだ道での記憶とが徐徐に同化していく。俳句が持つ余白や奥行きがそうさせるのですがそれは私の追い求める作品の世界観と重なります。
今回、純に心惹かれた句を選びました。
儚なく無垢な石鹼玉に思いを込めて…。
これからはどこへ向かうのだろうか?
絹/蠟染
162×112cm