伝統音楽の魅力を探る・レクチャーコンサート Vol.3
盲僧琵琶、薩摩琵琶、筑前琵琶 琵琶楽の流れと魅力をさぐる

琵琶楽はおもしろい

2007(平成19)年11月29日(木)

●琵琶楽

 琵琶は古代に中国から伝来した楽器です。日本におけるその源流は宮廷音楽などに用いられた「雅楽琵琶」と宗教的な琵琶としての「盲僧琵琶」に分かれます。
 雅楽琵琶は独奏曲が名手によって伝えられましたが、秘曲とされたためいつしか消滅し、もっぱら雅楽合奏のみに用いられるようになりました。
 盲僧琵琶は九州の僧を中心に伝承されましたが、やがて合戦をテーマとした物語琵琶が生まれ、その中から鎌倉時代には平家物語が成立し、「平家琵琶」の演奏家たちが当道という組織を作り、室町そして江戸幕府の庇護のもとで活動を継続します。
 一方、宗教音楽としての盲僧琵琶は主に九州地方において庶民の信仰のなかで生きていきます。そこから、戦国時代には薩摩藩士の精神教育のために「薩摩琵琶」が成立し曲風の変遷を経て、明治になると東京に進出しました。明治中期には薩摩琵琶の隆盛に刺戟を受けて「筑前琵琶」が誕生します。
 今回のレクチャーコンサートは練り上げられた声でテンポ良く「釈文」を唱える日向盲僧琵琶、勇壮な薩摩琵琶、優雅で哀愁のある筑前琵琶と、琵琶楽の現代への流れと歴史を辿り、琵琶楽の魅力、楽しさを初心者の方々に存分に楽しんでいただける構成といたしました。