伝統音楽の魅力を探る・レクチャーコンサート Vol.5
文楽 義太夫節はおもしろい
2009(平成21)年8月18日(火)
代表的な伝統音楽 義太夫節の魅力を存分に
人形浄瑠璃・文楽の世界を作り、進行してゆく音楽が「義太夫節」です。
義太夫節は原則として太夫(語り手)・三味線弾きの二人で演奏します。
太夫は物語の背景・登場人物の詞・行動等すべてを語りによって表現します。
三味線は太夫を助け、情景や人物の喜怒哀楽を、音として観客の心に直接響かせます。
人物の「詞」は旋律を伴わず写実的に、情景や人物の心理描写等は三味線共々旋律を伴って演奏します。「地合い」と呼びます。
その両者の中間は「色」「地色」と呼ばれ、詞から地合い、地合いから詞へ移行する折に用いられます。それぞれには細かく厳密な決まりがあり、太夫・三味線はそれらを正確に情を表現することによって、戯曲の世界を表現します。
義太夫節は基本的には写実ですが、適度の誇張を交えることで、人形を生き生きと活動させ、戯曲に生命を吹き込み、感動を呼び起こすのです。
このように義太夫節は高度で完成度の高い音楽です。文楽最高位の「切場語り」豊竹嶋大夫師と豊澤富助師による実演を中心に、義太夫節の魅力を存分にお楽しみ頂きます。