伝統音楽の魅力を探る・レクチャーコンサート Vol.8
雅楽はおもしろい
〜不思議な楽器たちが織りなすアンサンブルの妙〜
2012(平成24)年12月11日(火)
雅楽は、日本の音楽・芸能史の中でもっとも古くから登場する種目の一つで、1300年以上の歴史を持っています。天皇や貴族の行事、神社や寺院の儀礼と結びついて発展してきました。
今日の「雅楽」は、じつは、歴史や内容が異なるいくつかのジャンルを含んでいます。①神道系の儀式でおもに行われる、日本固有の起源を持つと考えられる歌と舞(御神楽、東遊など)、②アジア大陸から伝来した多種類の楽器の合奏音楽、および、その音楽を伴奏に異国風の仮面や豪華な装束を着けて演じられる舞楽(唐楽と高麗楽)、さらに、③9世紀後半頃に生まれた歌もの(催馬楽と朗詠)、が伝承されています。このうち、②の器楽合奏音楽と舞楽などの渡来芸能は、現在、もっとも一般の耳目に触れる機会が多く、狭義の雅楽は、この渡来系の楽舞を指しています。日本の音楽・芸能のほとんどは、歌や語りを少数の楽器で伴奏する「声の芸能」ですが、その中で特に唐楽と高麗楽は、アジア的広がりを持つ多種類の楽器の合奏音楽として異彩を放っています。
このレクチャーコンサートでは、雅楽の全体を概観したのち、特に外来系の唐楽に焦点をあて、それぞれの楽器がどのような個性を持ち、それらが組み合わされて合奏となると、どんな響きが紡ぎ出されるのか、そして、どんな演奏方法や音楽的特徴があるのかなどをわかりやすく解説していきます。